建築と都市のかかわり

 SANAA、蓑豊氏の講演会に行ってきました。
 3人とも本当に素敵な方々で、本業関係のことを調整してでも行ってよかったと思えるものでした。ほんとこのお三方が一同に会するなんて珍しいと思うの。こないだプリツカー賞を受賞されたばかりだから、今後はもうこんな機会ないかもと思ったんです。

 あ、そもそも、わたし近現代建築や、近現代アートが好きって書いたことあったっけな。

 無料だけに入れるか心配だったのですが、大丈夫だった(笑)。地元の中高年の方と建築やってそうな学生さん、もしくは建築関係のお仕事のおされめな方が客層の大半でした。ちなみに、ちょうど自分が会場に着いた時に、SANAAのお二人が到着して、本物だー!!!と思ったとか(笑)。本業の時に続いて、また入りに遭遇しちゃったよ(おい)。
 まずは蓑さんの世界の近現代の美術館のお話。フランク・ロイド・ライトグッゲンハイム美術館(ニューヨーク・1959年)を筆頭に、ポンピドゥー・センター(パリ・1977年)のことを説明されていました。
 ポンピドゥー・センターが建設当初は周囲の反対に遭ったりしたけれど、その効果で地元に歓迎される結果となったことなんて知らなかったです。リサとガスパールのお家というイメージしかなかったよ(笑)。また、この設計に関わったレンゾ・ピアノ関西空港の設計してたとか知らなかったよー!通りで自分が好きな作りだった訳だ(笑)。
 あとはテートモダン、デ・ヤング美術館、グッゲンハイムビルバオMoMAモーガン・ライブラリー&ミュージアムの話も。実際に見てみたい建物ばかりだけれど、海外は敷居が高すぎるのだ…!!!

 あとは、アメリインディアナ州コロンバスの公共物の建築への取り組みの話も。アメリカにいた方だから、日本の教育における問題はかなり感じていらっしゃるのだろうなと。地元の小学校改築してたから、どっか頼めばよかったのに(おい)。

 そして最後に金沢21世紀美術館の話。金沢市長の立案だったということにまず驚きました。地方都市の市長さんが考えたことが実現したのがあの素敵な建物だなんて。1980年以降に作られたものが中心の所蔵品、地方の美術館だからできること。子どもが遊べることをコンセプトにしたりだったり、スイミングプールの話も出ました。あれほんと子どもは楽しい展示物だよね。………次のSANAAのお二人のことに続く。

 SANAAのお二人は交互に金沢21世紀美術館、トレド美術館ガラスパビリオン、直島、ローザンヌ連邦工科大学ラーニングセンター、十和田現代美術館、建設中のものでは豊島美術館ルーブル美術館ランス別館のコンセプト、意図、平面図や完成図を交えつつの説明。建設中のものに関しては建設中の写真や平面図や模型の画像を交えつつの説明でした。
 最後の質問で豊島美術館のオープン日を聞かれた西沢さんが即座に10/17です!(キリッ)と答えててちょっと面白かったとかそんな(こら)。質問にテンション上がって熱弁しようとしてる最中にマイク落としてらしてびっくりしたわあ。建築中の様子も興味深かったので必ず行ってやるぜ豊島!!!

 あと妹島さんのお話で、都内の狭い土地に家を建てるという依頼があって、狭いから建蔽率をいっぱいで作らなきゃ!みたいに思い込んでいたら、その家の方に梅の木を残したいといわれ、そうすると狭くなると言ったら、クライアントさんは狭くなってもいいじゃないですか、と言われて、改めて気付かされることもあったというのが興味深かったなあ。完全にニュアンスで書いてるので詳細あやふやですが。

 金沢21世紀美術館の立案の際、みんなで日本の美術館の年間の平均来場者が5〜6万人だから、それくらいは入るように…と話し合ってたら、後からそこに加わった蓑さんが金沢市の人口45万人いるんだから、1人が1回はこないと!ときっぱり言ったっていうエピソードに、このひとステキだ!と思いました。そんな金沢21世紀美術館の年間来場者数は150万人だそうです。そんなにすごかったのかあの美術館。
 さて、近いうちにそんな蓑さんが館長をつとめる兵庫県立美術館に行ってこようかな。特別展示には興味がないので常設だけ見てこよう。

 建築って造型、外観を考えるだけではなく、使う素材によっての強度、使い方、見え方、地震等の自然災害への対処、強度、ひいては内部の動線、天気、気温による変化等まで考えて作らなければならない、ということに改めて気付かされました。
 建築と都市のかかわりとか、実際に建築家でらっしゃる方や、建築を勉強されてる学生さんもいらして、質問コーナーもそれはそれで興味深かったです。

 あと、これで美術館のお話をたくさん聞いて、自分の大好きな森美術館ってどうなんだろうっていろいろ思いました。

 それにしても日本人の特に中高年の方って印象派好きだよね。別にけなしてる訳ではないんだけれど、意味がわからなくても現代アートにももっと注目が集まるといいな。意味がわからんと言いながら現代アートばかり見ている自分はそう思います。見るけど何も考えてないから意味がない、とは思わない。見てることが何か影響は与えられていると思うんだ。
 実際、インスパイアされたのかデザインの案が浮かんだので自分のブログのどれかのデザインを変更しようと思います(笑)。

メモ

  • 敷居の低い美術館
  • 受動的だけではない自分から関わる。
  • 汎用性
  • 開放的
  • 都市空間と建築のかかわり
  • 10/9発売のCasa BRUTUSSANAA特集だから忘れず買ってください!>自分